文字コード編・第3回
外字とは
ひとことで言うと
外字は、標準の文字コードにない文字を、団体ごとに作って、文字コードの空いている番号に置いたものです。
異動してきたら、最初に確かめること
チェックは、このスマートフォンのブラウザに保存されます。
解説(テキスト版)
はじめに

情シスには、こんな相談が届きます。住民の名前の字が、新しいパソコンでは四角になって出てこない、と言われる。
あるいは、ほかの団体に送ったデータで、名前の字だけが、まったく別の字になっていた、と言われる。
どちらも、外字の話です。第3回は、外字とは何かをお話しします。
一言で言うと

先に、一言でまとめます。外字は、標準の文字コードにない文字を、団体ごとに作って、文字コードの空いている番号に置いたものです。
その番号に何の字が入っているかは、作った団体のシステムしか知りません。だから、ほかへ渡すと化けます。
人の名前と、標準の文字コード

なぜ、外字が必要になったのでしょうか。理由は、人の名前と、地名です。
名前の字には、同じ字でも、少しずつ形の違うものがあります。たとえば、高いの「高」と、はしごだかの「髙」。崎の「崎」と、たつさきの「﨑」。こうした、形の違う字を、異体字と言います。
戸籍には、本人が使ってきた字の形が、そのまま記録されています。ところが、前回お話しした標準の文字コードには、こうした字が、すべて入っているわけではありません。
空き領域に、字を作る

そこで使われたのが、文字コードの空き領域です。
文字コードには、自由に使ってよい、空けてある番号の範囲があります。Shift_JISなら、ユーザー定義の領域。Unicodeなら、私用領域と呼ばれる範囲です。
この空いている番号に、字の形を作って置いたものが、外字です。団体や、システムの事業者が、必要な字を一つずつ作って、登録してきました。
外字ファイルを配る

外字を画面に出すには、その字の形のデータ、つまり外字のフォントが、端末に入っていなければなりません。
そのため、多くの団体では、外字のファイルを、職員の端末に配ってきました。
外字のファイルが入っていない端末では、その番号の字が、四角や、空白になります。パソコンを入れ替えたときに、名前が出なくなるのは、このためです。
同じ番号に、違う字

外字の、いちばんの問題は、ここからです。
空き領域は、誰が使ってもよい番号です。だから、ある団体では、その番号に「髙」を置き、別の団体では、同じ番号に、まったく別の字を置いている、ということが起こります。
この状態で、データをほかの団体や、国のシステムに渡すと、番号はそのまま届きます。受け取った側は、自分の外字で読むので、別の字が出てしまいます。冒頭の相談は、これです。
どれくらいあるのか

外字は、どれくらいあるのでしょうか。
総務省が、平成22年度に行った調査では、1386の市区町村から、外字の情報を集めました。その数は、およそ117万字です。
その中には、実は、標準の文字コードにある字と、同じ字だったものも、含まれていました。標準にあることに気付かず、外字として作ってしまったものや、団体ごとに、同じ字を別々に作ったものです。
外字で困る場面

外字で困る場面を、まとめておきます。
一つ目は、システムの移行です。古いシステムの外字を、新しいシステムで、どの番号の、どの字にするのかを、一つずつ決め直す必要があります。
二つ目は、ほかのシステムとの連携です。国のシステムや、ほかの団体に渡すデータでは、外字はそのままでは通じません。
三つ目は、印刷と、外への発信です。証明書や通知を印刷するプリンターや、住民に送るメール、ウェブのページでも、外字は出ません。
現場でよくある誤解

現場でよくある誤解を、3つ挙げます。
一つ目。足りない字は、外字を作れば済む、という誤解です。作った外字は、その団体の中でしか通じません。作るほど、移行や連携の手間が増えます。
二つ目。自分の画面に出れば、ほかでも出る、という誤解です。画面に出るのは、その端末に、外字のファイルが入っているからです。
三つ目。外字は、住民の名前だけの問題だ、という誤解です。地名や、住所の表記にも、外字は使われています。
異動してきたら最初に確かめること

では、異動してきたら、まず何を確かめればいいでしょうか。
一つ目。庁内に、外字がいくつあるかです。どのシステムで使っているかも、あわせて確かめます。
二つ目。外字のファイルを、どの端末に、どうやって配っているかです。パソコンの入れ替えの手順に、入っているかも見ます。
三つ目。新しい外字を、誰が、どんな手続きで作っているかです。決まった手続きがないまま、増えていないかを確かめてください。
理解度テスト
3問です。答えを選んで、「答え合わせ」を押してください。
結果は、このブラウザに保存されます。成績ページで「ふっかつのじゅもん」を作ると、別の端末でも続きから使えます。