文字コード編・第4回
外字の取り扱いと、文字の標準化
ひとことで言うと
システムの標準化では、団体ごとの外字を、行政事務標準文字という、共通の文字に置き換えます。
動画で紹介したもの
異動してきたら、最初に確かめること
チェックは、このスマートフォンのブラウザに保存されます。
解説(テキスト版)
前回のおさらい

前回は、外字についてお話ししました。標準の文字コードにない字を、団体ごとに作って、空いている番号に置いたものです。
空いている番号は、誰が使ってもよいので、同じ番号に、団体ごとに違う字が入っています。文字が、団体ごとに、ばらばらなのです。
そのため、ほかの団体や、国のシステムにデータを渡すと、別の字になります。システムの移行のたびにも、手間がかかってきました。
ばらばらのままでは、つながりません。全国で、使う文字を統一する必要があります。第4回は、外字の取り扱いと、文字の標準化をお話しします。
一言で言うと

先に、一言でまとめます。システムの標準化では、団体ごとの外字を、行政事務標準文字という、共通の文字に置き換えます。
そのために、自分の団体の外字が、共通の文字のどれと同じ字なのかを、一つずつ決めていきます。この作業を、同定と言います。
文字情報基盤

まず、土台になったのが、文字情報基盤です。
戸籍で使う文字や、住基ネットで使う文字などを、まとめて整理した文字の集まりです。ここに入っている文字を、MJ文字と言います。数は、58862字です。
一つひとつの字に、共通の番号と、字の形が決められています。フォントも、IPAmj明朝として公開されていて、今は、文字情報技術促進協議会が提供しています。
行政事務標準文字

これをもとに、デジタル庁が定めたのが、行政事務標準文字です。自治体の標準化されたシステムでは、この文字を使います。
中身は、MJ文字の、およそ6万字に、MJ文字にはないけれど、実際に戸籍で使われている、およそ1万字を加えたものです。合わせて、およそ7万字です。
法務省の分析では、市区町村の戸籍のシステムの文字は、重複を除いて、およそ70万字ありました。そのうち、およそ55万字は、MJ文字と同じ字だと整理できました。
つまり、外字の多くは、すでに共通の文字に置き換えられる字だったということです。
追加の、およそ1万字のフォントも、デジタル庁が公開しています。MJ文字のフォントと組み合わせれば、およそ7万字すべてを表示できます。
行政事務標準文字の番号

では、行政事務標準文字は、どんな番号で表すのでしょうか。前回の外字のように、空いている番号を使うのでしょうか。
基本は、世界基準の文字コード、Unicodeの番号です。MJ文字の多くは、Unicodeに、もともと番号があります。
字の形の細かい違いは、IVSという仕組みで表します。もとの字の番号のあとに、この形です、という印の番号を続けて書く、国際標準の仕組みです。
空いている番号、つまり私用領域を使うのは、まだ国際標準になっていない、追加のおよそ1万字だけです。この番号は、デジタル庁が決めた、全国共通のものです。いずれ国際標準にするまでの、暫定の扱いです。
団体ごとにばらばらだった空き番号が、世界共通の番号と、全国共通の番号に置き換わる。これが、文字の標準化の中身です。
同定という作業

では、同定とは、どんな作業でしょうか。
自分の団体の外字を、一つずつ、行政事務標準文字の中から、同じ字を探して、対応を決めていきます。
ここで大事なのは、同じ字かどうかの判断です。線の長さや、はねるかとめるかといった、細かいデザインの違いは、同じ字として扱います。そのよりどころになるのが、デジタル庁の、文字包摂ガイドラインです。
デジタル庁は、外字を入れると、候補の字を出してくれる、同定を支援する道具も提供しています。多くの団体が、この道具を使って作業を進めています。
字の形は、少し変わる

同定のあと、証明書や通知に印刷される字は、行政事務標準文字の形になります。そのため、これまでと、字の形が少し変わることがあります。
ある団体では、変わるのは、字のデザインで、字の骨組みは変わりません、と住民に説明しています。
窓口で、字の形が違う、と言われたときに、どう説明するのか。説明の文言を、あらかじめ用意しておくと安心です。
戸籍の扱い

なお、戸籍と、戸籍の附票のシステムには、これまでの文字を、そのまま使い続けられる経過措置があります。
本人が使ってきた字の形を、記録として残すためです。標準化で、戸籍の字が勝手に書き換わるわけではありません。
現場でよくある誤解

現場でよくある誤解を、3つ挙げます。
一つ目。標準化すれば、外字の問題は、すべてなくなる、という誤解です。標準化の対象ではないシステムや、標準にない文字の扱いは、残ります。
二つ目。同定は、事業者が全部やってくれる、という誤解です。どの字と同じとするかは、最後は団体が判断して、決める必要があります。
三つ目。標準化で、住民の名前の字が、勝手に変わる、という誤解です。変わるのは、字のデザインです。字そのものが、別の字になるわけではありません。
異動してきたら最初に確かめること

では、異動してきたら、まず何を確かめればいいでしょうか。
一つ目。外字の同定が、どこまで進んでいるかです。誰が判断して、どこに記録しているかも、あわせて見ます。
二つ目。証明書や通知の、字の形が変わる時期です。窓口での説明の文言が、用意されているかも確かめます。
三つ目。外字と、行政事務標準文字の対応の一覧が、どこに保管されているかです。システムの移行や、問い合わせのときに使います。
理解度テスト
3問です。答えを選んで、「答え合わせ」を押してください。
結果は、このブラウザに保存されます。成績ページで「ふっかつのじゅもん」を作ると、別の端末でも続きから使えます。