ネットワーク編・第1回
IPアドレスとDNS
ひとことで言うと
IPアドレスは住所、DNSは、名前から住所を調べる検索です。前回の全体地図でいうと、今日の話は、どれか一つの層ではなく、3つの層すべてに共通する、土台の話です。
解説(テキスト版)
はじめに

情シスにいると、こんな依頼が届きます。新しいサーバーを入れたので、名前で開けるようにしてほしい。新しいホームページを作ったので、アドレスを設定してほしい。
どこに、何を設定すればいいのか。正直、最初は分かりませんでした。特に分かりにくいのが、端末が、どこのDNSに聞きに行くのか、という設定です。
今日は、その土台になる、IPアドレスとDNSの話です。
一言で言うと

先に、一言でまとめておきます。IPアドレスは住所、DNSは、名前から住所を調べる検索です。
前回の全体地図でいうと、今日の話は、どれか一つの層ではなく、3つの層すべてに共通する、土台の話です。
IPアドレスは住所

ネットワークにつながる機械には、1台ごとに、IPアドレスという番号が付いています。データは、この番号をあて先にして届けられます。
番号は、前半と後半に分かれています。前半がどのネットワークか、後半がその中のどの1台か、です。住所でいえば、前半が町の名前、後半が番地です。
前半が同じ相手、つまり同じネットワークの中なら、直接届きます。前半が違う相手には、出口を通って届けます。この出口を、デフォルトゲートウェイと呼びます。
サブネットマスク

では、どこまでが前半なのか。それを決めているのが、サブネットマスクです。
よく見る255.255.255.0は、4つに区切った番号のうち、最初の3つまでが前半、という意味です。192.168.10.21なら、192.168.10までが前半です。
ここで誤解しやすいのが、サブネットマスクは、それ自体が住所ではない、という点です。番号のどこに線を引くかを示す、ものさしのようなものです。
線の位置は、ネットワークによって違います。255.255.0.0なら、最初の2つまでが前半です。設定がずれていると、同じネットワークの相手なのに、直接届かないことがあります。
資料では、255.255.255.0を、スラッシュ24と書くこともあります。前半の長さを、別の書き方で表しているだけです。
プライベートIPとグローバルIP

IPアドレスには、大きく2種類あります。組織の中だけで使うプライベートIPアドレスと、インターネットで使うグローバルIPアドレスです。
プライベートIPアドレスは、10、172.16から172.31、192.168で始まる番号と決まっています。組織の中だけで使うので、ほかの役所や会社でも、同じ番号が使われています。
グローバルIPアドレスは、インターネット上で、世界に一つだけの番号です。勝手には使えず、割り当てを受けて使います。
番号を見れば、どちらかが分かります。たとえば、グーグルのサーバーは、142.250で始まるような番号です。10でも、172.16から31でも、192.168でもないので、グローバルIPアドレスだと分かります。
庁内の端末は、プライベートIPアドレスなので、インターネットから直接はたどり着けません。外に出るときは、出口でグローバルIPアドレスに置き換えてもらっています。この出口の話は、別の回で詳しくお話しします。
逆に、住民に見てもらうホームページのサーバーには、グローバルIPアドレスが要ります。このあと、ホームページの依頼のところで、もう一度出てきます。
端末の設定は4点セット

端末がネットワークを使うには、4つの設定が要ります。自分の番号、サブネットマスク、出口の番号、そして、聞きに行くDNSの番号です。
職員の端末では、この4つは、たいてい自動で配られます。つないだときに、配る係のサーバーが、まとめて渡してくれる仕組みです。
一方、サーバーは、番号が変わると困るので、決まった番号を、手で設定するのが基本です。
4つの設定は、ネットワークの設定画面で、詳細を開くと見られます。職員の端末はコマンドが使えないことが多いので、まずはここを見てください。
DNSは、名前から住所を調べる検索

人が番号を覚えるのは大変なので、サーバーやホームページには、名前が付いています。
名前から番号を調べてくれるのが、DNSです。地図アプリで店の名前を検索すると住所が出てくるように、名前を聞くと、その番号を答えてくれます。
たとえば、google.comをDNSに聞くと、142.250で始まるような番号が返ってきます。ブラウザに、その番号を直接打ち込んでも、グーグルのページにたどり着きます。名前と番号は、同じ相手を指しているんです。
では、端末は、どこのDNSに聞きに行くのか。それが、さっきの4点セットにあった、DNSの番号です。端末は、そこに書かれたDNSに、毎回聞きに行きます。
多くの場合、聞きに行く先は、庁内のDNSです。庁内のDNSは、自分が知らない外の名前を聞かれると、外のDNSに聞いて、答えを返してくれます。
そして、自治体では、3つの層ごとに、聞きに行くDNSも別々です。どの層の端末かによって、答えてくれるDNSが違うんです。
新しいサーバーを入れたら

では、最初の依頼です。新しいサーバーを入れたので、名前で開けるようにしてほしい。
まず、サーバーに決まった番号を付けます。ほかの機械と重ならないように、番号の台帳で、空いている番号を確かめてから決めます。
次に、庁内のDNSに、このサーバーの名前と番号を登録します。登録すれば、職員の端末が名前で聞いたときに、DNSがその番号を答えてくれます。
このとき、どの層のDNSに登録するかを確かめてください。LGWAN接続系の職員が使うサーバーなら、LGWAN接続系の端末が聞きに行くDNSに登録します。
新しいホームページを作ったら

もう一つの依頼です。新しいホームページを作ったので、アドレスを設定してほしい。
ホームページを見るのは、住民の方です。住民のスマホは、庁内のDNSではなく、インターネット上のDNSに聞きに行きます。
インターネット上のDNSには、ホームページの名前と、そのサーバーのグローバルIPアドレスを登録します。庁内で使うプライベートIPアドレスを登録しても、住民からはたどり着けません。
だから、登録する先は、インターネット上のDNSです。役所のドメインのDNSを、誰が管理しているのか。委託先なのか、自分たちなのかを、まず確かめましょう。
登録したら、住民と同じように、インターネット側から名前で開けるかを確かめます。庁内の端末で開けても、住民から見えているとは限りません。
まとめ

異動してきたら、層ごとの番号の範囲と、聞きに行くDNS、サーバーの番号の台帳、そして、ドメインのDNSを誰が管理しているかを、一覧にしておきましょう。
その一覧があれば、新しいサーバーやホームページの依頼が来ても、どこに何を頼めばいいかが分かります。
次回は、本庁と支所をつなぐ通信の話です。この動画が参考になったら、グッドボタンとチャンネル登録をお願いします。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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