情シスの教科書

ネットワーク編・第7回

証明書のコンビニ交付

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ひとことで言うと

コンビニ交付は、マイナンバーカードを使って、コンビニの端末から、住民票の写しなどを取れるサービスです。

異動してきたら、最初に確かめること

チェックは、このスマートフォンのブラウザに保存されます。

解説(テキスト版)

はじめに

動画の画面:はじめに(証明書のコンビニ交付)
動画の画面:はじめに

情シスには、こんな連絡が届きます。コンビニで住民票が出ない、と住民の方から言われている。コールセンターや窓口の職員から、そう知らされるんです。

ほかにも、証明書の様式が変わるので、コンビニでの印刷も変えたい。年末年始のメンテナンスの日程を、調整してほしい。システムの更改に合わせて、いつ止めるかを決めたい。

どれも、コンビニ交付の話です。私も最初は、どこが止まっているのか、見当がつきませんでした。今日は、証明書のコンビニ交付の、通り道を見ていきます。

一言で言うと

動画の画面:一言で言うと(証明書のコンビニ交付)
動画の画面:一言で言うと

先に、一言でまとめておきます。コンビニ交付は、マイナンバーカードを使って、コンビニの端末から、住民票の写しなどを取れるサービスです。

ここが大事なところです。証明書は、コンビニの中にあるのではありません。端末から頼まれるたびに、自治体のサーバーが、その場で作っています。

間をつないでいるのが、J-LIS、地方公共団体情報システム機構が運営している、証明書交付センターです。

地図のどこか

動画の画面:地図のどこか(証明書のコンビニ交付)
動画の画面:地図のどこか

第0回の全体地図でいうと、今日は、外とのつながりの話です。

住民記録のシステムは、マイナンバー利用事務系にあります。コンビニ交付では、そこから証明書を作るサーバーが、LGWANを通じて、J-LISのセンターとつながっています。

前回の住基ネットや中間サーバーとは、別の線です。コンビニ交付のために、LGWANを使っています。

ただし、証明書を作るサーバーを自前で持つのか、J-LISのクラウドを使うBCL方式なのかは、自治体によって違います。自分の団体の形は、構成図で確かめましょう。

証明書が出てくるまでの道

動画の画面:証明書が出てくるまでの道(証明書のコンビニ交付)
動画の画面:証明書が出てくるまでの道

では、住民がコンビニの端末を操作してから、証明書が出てくるまでの道を、順にたどります。

まず、住民が、端末にマイナンバーカードをかざして、暗証番号を入れ、欲しい証明書を選びます。

その依頼は、コンビニ事業者の端末から、専用の回線を通って、J-LISの証明書交付センターに届きます。センターは、東日本と西日本の2か所で運用されています。

センターから先は、LGWANです。依頼は、LGWANを通って、その住民が住んでいる自治体の、証明書を作るサーバーに届きます。

サーバーは、住民記録のシステムから情報を受け取って、証明書の画像を作ります。偽造や改ざんを防ぐための情報も、ここで加えられます。

なお、BCL方式もあります。J-LISの自治体基盤クラウドシステム、略してBCLに、住民記録の情報の副本を、あらかじめ送っておく形です。依頼は自治体のサーバーまで来ずに、BCLで証明書が作られます。

出来上がった証明書は、同じ道を戻って、コンビニの端末で印刷されます。手数料は、店頭の端末で払います。印刷が終わると、端末のデータは消される仕組みです。

止まったとき、どこが原因か

動画の画面:止まったとき、どこが原因か(証明書のコンビニ交付)
動画の画面:止まったとき、どこが原因か

では、コンビニで取れない、という連絡が来たときです。住民から見れば、どこが原因でも、コンビニで取れない、という同じ現象です。

でも、道の途中のどこが止まっても、取れなくなります。コンビニの端末、事業者の回線、J-LISのセンター、LGWAN、自治体の証明書を作るサーバー、住民記録のシステム。

まず切り分けたいのは、自分の自治体だけなのか、ほかの自治体でも出ないのか、という点です。ほかの自治体も出ないなら、センターや事業者の側の可能性が高くなります。

自分の自治体だけなら、自治体側のサーバーや、LGWANの回線、住民記録のシステムを疑います。住民記録のシステムの保守や、定期的な作業の最中ということもあります。

BCL方式なら、自治体側のサーバーが止まっていても、コンビニ交付は動くことがあります。そのかわり、副本をいつ送っているかで、証明書に載る情報の新しさが変わります。送るタイミングを、確かめておきましょう。

もう一つ。特定のコンビニ、特定の店だけで出ないなら、その端末の問題かもしれません。窓口から、どの店で、いつ起きたかを、聞いてもらいましょう。

連絡の流れ

動画の画面:連絡の流れ(証明書のコンビニ交付)
動画の画面:連絡の流れ

止まったときの、連絡の流れも、考えておきます。一般的には、こうなります。

住民から、窓口やコールセンターに連絡が入ります。窓口の職員は、情シスに知らせます。情シスは、構築した事業者や保守の委託先に連絡して、原因を調べてもらいます。

原因がセンターや、コンビニ事業者の側にありそうなときは、事業者を通じて、J-LISに確認することになります。

同時に、住民への案内も必要です。ホームページに、コンビニ交付が使えないことを載せて、窓口で発行できることを伝えます。窓口が混むので、窓口の課にも、先に知らせておきたいところです。

情シスだけで抱えず、窓口の課と、事業者と、三者で動く。そのための連絡先の一覧が、あるかどうかが大事です。

使える時間とメンテナンス

動画の画面:使える時間とメンテナンス(証明書のコンビニ交付)
動画の画面:使える時間とメンテナンス

次に、サービスの時間です。コンビニ交付が使える時間は、J-LISの資料では、朝6時30分から夜11時まで、市区町村ごとに設定する、とされています。

夜の遅い時間と早朝は、使えません。だから、システムの作業は、この時間の外に入れるのが基本です。

ただ、J-LISの側にも、メンテナンスの日があります。自治体の案内には、J-LISのメンテナンス日を除く、と書かれていることもあります。年末年始は、使えないと案内する自治体もあります。

ですから、住民記録のシステムを更改するときや、証明書の様式を変えるときは、日程を決めたら、事業者とJ-LISに確認します。そして、住民に知らせます。

停止の予定が、窓口の課にも、コールセンターにも伝わっていない。これが、現場でいちばん多い困りごとです。

現場でよくある誤解

動画の画面:現場でよくある誤解(証明書のコンビニ交付)
動画の画面:現場でよくある誤解

現場でよくある誤解を、3つ挙げます。

一つ目。コンビニのコピー機に、証明書のデータが入っている、という誤解。実際には、頼まれるたびに、自治体のサーバーで作られて、印刷が終われば消えます。

二つ目。コンビニ交付が止まったのは、自治体のネットワークが止まったからだ、という誤解。原因は、センターや事業者の側にあることも、よくあります。

三つ目。一度入れたら、事業者に任せておけば安心、という誤解。2023年と2024年に、事業者のシステムの不具合で、別の人の証明書が出てしまう事案が起きています。

2024年4月には、総務省が、事業者に対して、原因の究明と、再発防止を求める行政指導を行いました。自治体としても、不具合が出たときの連絡と、対応の流れを、事業者と決めておくことが大事です。

異動してきたら最初に確かめること

動画の画面:異動してきたら最初に確かめること(証明書のコンビニ交付)
動画の画面:異動してきたら最初に確かめること

では、異動してきたら、まず何を確かめればいいでしょうか。

一つ目。自分の団体のコンビニ交付が、どんな形かです。証明書を作るサーバーを自前で持っているのか、BCL方式なのか。そして、どの事業者のシステムなのか。

二つ目。構成図で、証明書を作るサーバーが、どこにあって、どの回線でLGWANにつながっているかを見ます。

三つ目。連絡先の一覧です。構築した事業者、保守の委託先、J-LIS、そして窓口の課とコールセンター。止まったときに、誰が誰に連絡するのかを、決めておきます。

四つ目。サービスの時間、メンテナンスの予定、年末年始の扱いです。去年、いつ止めたのかを、記録で見ておくと分かります。

そして五つ目。取れる証明書の種類と、様式を変えるときの段取りを、窓口の課に聞いておきましょう。

ネットワーク編のふり返り

動画の画面:ネットワーク編のふり返り(証明書のコンビニ交付)
動画の画面:ネットワーク編のふり返り

これで、ネットワーク編は最後です。第0回で作った、全体地図を、ふり返ってみましょう。

第1回は、すべての層に共通する、IPアドレスとDNS。第2回は、支所とつなぐ回線。第3回は、庁内を3つに分ける、三層分離でした。

第4回と第5回は、LGWANと、インターネット側とのつなぎ方。第6回は、住基ネットと中間サーバー。そして今日が、コンビニ交付です。

地図の線を、一本ずつたどれば、どこが止まっているのか、見当がつくようになります。連絡が来たときに、まず、この地図を思い出してください。

理解度テスト

3問です。答えを選んで、「答え合わせ」を押してください。

問1コンビニ交付で、証明書が作られる場所として、正しいものはどれですか。
問2コンビニ交付で、コンビニの端末と自治体の間をつないでいる機関はどれですか。
問3「コンビニで住民票が出ない」という連絡が来ました。最初に切り分けたいことはどれですか。

結果は、このブラウザに保存されます。成績ページで「ふっかつのじゅもん」を作ると、別の端末でも続きから使えます。

チャプター

ネットワーク編のほかの回