ネットワーク編・第4回
LGWANとLGWAN-ASP
ひとことで言うと
LGWANは、全国の自治体と国をつなぐ、インターネットから切り離された、行政専用のネットワークです。
異動してきたら、最初に確かめること
チェックは、このスマートフォンのブラウザに保存されます。
解説(テキスト版)
はじめに

情シスには、こんな相談が届きます。原課から、このLGWAN-ASPのサービスを使いたいのだけど、と言われる。
電子申請を入れたい。LoGoチャットを使いたい。県や国への報告は、どうやって送るのか。
そのたびに出てくるのが、LGWANという言葉です。私も最初は、LGWANとLGWAN-ASPの違いが、はっきり分かりませんでした。
今日は、この2つの話です。
一言で言うと

先に、一言でまとめておきます。LGWANは、全国の自治体と国をつなぐ、インターネットから切り離された、行政専用のネットワークです。
そしてLGWAN-ASPは、そのLGWANの中で使える、自治体向けのサービスです。道がLGWAN、その上で動くアプリがLGWAN-ASP、と覚えてください。
地図のどこか

第0回の全体地図でいうと、今日は、LGWAN接続系から伸びる線の話です。
庁内の3つの層のうち、LGWAN接続系の端末は、LGWANにつながっています。その先に、LGWANがあり、LGWAN-ASPがあります。
地図の上の段にいる、ほかの自治体や国の機関も、同じLGWANにつながっています。つまり、LGWANは、自治体どうし、そして国との、共通の道です。
LGWANとは何か

LGWANは、総合行政ネットワークの略称です。運営しているのは、地方公共団体情報システム機構、略してJ-LISです。
全国の自治体が、このネットワークに専用の回線でつながっています。国の機関のネットワークとも、相互につながっています。
だから、自治体どうしや国との間で、行政の連絡や情報のやり取りを、インターネットを通さずに行えます。県や国からの照会や通知が、LGWANのメールで届くのも、このためです。
県や国への回答を、LGWANのメールで送る場面もあります。LGWANは、その送り先をつなぐ、共通の道です。
また、LGWANでは、LGPKIという仕組みも使えます。送ってきた相手が本物か、途中で内容が書きかえられていないか、を確かめるためのものです。
ここで大事なのは、LGWANは、自治体の中の庁内ネットワークとは、別のものだということです。庁内のネットワークが、LGWANという大きな道に、つながっている、という関係です。
LGWAN-ASPとは何か

では、LGWAN-ASPです。ASPは、アプリケーションを、ネットワーク越しに貸す事業者のことです。
LGWAN-ASPは、民間の事業者などが、LGWANを通じて、自治体の職員向けに、行政の事務に使うサービスを提供する仕組みです。
だから、LGWAN接続系の端末からなら、インターネットに出なくても、使えます。代表的なものとして、電子申請や、LoGoフォーム、LoGoチャット、文書管理、財務会計のサービスなどがあります。
どのサービスでも、誰でも名乗れるわけではありません。提供する事業者は、J-LISの審査を受けて、登録されます。サービスの種類によって、審査の基準も決まっています。
J-LISの区分では、アプリのサービスのほかに、ホスティングや通信などの区分もあります。ただ、情シスが相談を受けるのは、多くの場合、アプリのサービスです。
つまり、LGWAN-ASPと呼ばれているサービスは、LGWANの要件を満たしていると、J-LISが確認したものです。これが、LGWAN-ASPの大きな特徴です。
使いたいと言われたら、確かめる4つのこと

では、原課から、このLGWAN-ASPのサービスを使いたい、と言われたら、何を確かめるか。私は、4つあると考えています。
一つ目。どの層の端末から使うのか、です。LGWAN-ASPは、LGWAN接続系の端末から使うのが基本です。マイナンバー利用事務系の端末や、インターネット接続系の端末から、そのまま使えるとは限りません。
利用する職員が、どの端末を使っているのかを、先に聞きましょう。
二つ目。その提供事業者と、サービスが、LGWAN-ASPとして登録されているか、です。営業資料に、LGWAN対応と書いてあっても、登録の状況は、別に確かめます。
三つ目。費用です。誰の予算で、いくらかかるのか。初期費用と、毎年の利用料。契約の期間と、更新のときの条件も、聞いておきます。
四つ目。データの置き場所です。入力した情報が、どこに保存されるのか。契約が終わったときに、データを返してもらえるのか、消してもらえるのか。個人情報を扱うなら、特に大事です。
この4つを聞いておけば、原課への返事も、具体的にできます。分からない点は、事業者に、そのまま質問して構いません。
現場でよくある誤解

現場でよくある誤解を、3つ挙げます。
一つ目。LGWANにつながっているから、庁内のどの端末からでも使える、という誤解。実際には、端末がどの層に置かれているかで、決まります。
二つ目。LGWAN-ASPだから、中身は全部安心、という誤解。登録されているのは、一定の要件を満たしている、ということです。自分の団体として、どんな情報を預けるのかは、別に考える必要があります。
三つ目。LGWAN-ASPなら、インターネットは一切関係ない、という誤解。サービスによっては、インターネット側のデータを扱うものもあります。これは、次回お話しします。
それから、サービスを入れて終わり、でもありません。誰にIDを渡すのか、異動した人の権限をどう外すのか。使い始めてからの管理も、情シスの仕事になります。
もう一つ。LGWANが止まると、県や国とのやり取りも、LGWAN-ASPのサービスも、まとめて使えなくなります。どこまで影響が出るのかを、先に整理しておくと安心です。
異動してきたら最初に確かめること

では、異動してきたら、まず何を確かめればいいでしょうか。
一つ目。自分の団体が、LGWANにつながる回線と、機器の契約を、誰と結んでいるかです。止まったときの連絡先と、対応時間も、確かめます。
二つ目。いま使っている、LGWAN-ASPのサービスの一覧です。サービス名、使っている課、契約の終わる時期、費用の負担元を、1枚の表にしてみてください。
三つ目。LGWANのメールや、組織認証の担当が、誰なのかです。担当者が代わったときの、引き継ぎの手続きも、聞いておきましょう。
そして四つ目。新しいサービスの相談が来たときの、庁内の手順です。誰に相談して、誰が決めるのか。決まっていなければ、ここから整えていきましょう。
理解度テスト
3問です。答えを選んで、「答え合わせ」を押してください。
結果は、このブラウザに保存されます。成績ページで「ふっかつのじゅもん」を作ると、別の端末でも続きから使えます。