電子申請と行政手続法編・第1回
オンライン化三法とは
この動画は、順次公開します
ひとことで言うと
国の電子申請の法律は、国の法令で決まっている手続を、書面だけでなく、オンラインでもできるようにするものです。
異動してきたら、最初に確かめること
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解説(テキスト版)
はじめに

今日から、電子申請と行政手続法の編です。全部で5回あります。第1回は、電子申請の土台になっている法律の話です。
情シスには、こんな相談が届きます。電子申請を始めたいが、条例を直す必要はあるのか、と法規担当に聞かれた。何を見ればいいのか、分かりません。
あるいは、国の法律の名前が変わったと聞いたが、うちの条例の名前は、このままでいいのか、という相談もあります。
今日は、2002年にできた3つの法律と、2019年の改正、そして、自治体は自分の条例で決める、という3つを、順にお話しします。
一言で言うと

先に、一言でまとめておきます。国の電子申請の法律は、国の法令で決まっている手続を、書面だけでなく、オンラインでもできるようにするものです。
一方で、自治体が自分の条例や規則で決めている手続は、自治体が、自分の条例で、電子申請を認めていく形になります。ここが、情シスの仕事とつながるところです。
2002年のオンライン化三法

まず、2002年の話です。この年の12月に、行政手続オンライン化関係三法と呼ばれる、3つの法律が公布されました。
一つ目は、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律です。長いので、行政手続オンライン化法と呼ばれてきました。
二つ目は、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律です。整備法と呼びます。
整備法は、ほかの法律の規定を、オンライン化法に合わせて整える法律です。三つ目は、公的個人認証法で、次の場面でお話しします。
行政手続オンライン化法

オンライン化法の仕組みは、いまの条文で確かめられます。書面で行うと決まっている申請や届出を、その法令の規定にかかわらず、オンラインでも行える、と定めています。
書面を禁止するのではなく、オンラインでもできる、と認める形です。手続ごとの細かい方法は、各省庁の省令に任されています。
そして、オンラインで出された申請は、法令に定められた方法で行われたものとみなして、その法令を適用します。書面の申請と、同じ扱いになるということです。
公的個人認証法

三つ目の公的個人認証法は、オンラインで、本人であることを確かめるための法律です。紙の署名や押印に当たるものを、電子の世界で作る仕組みです。
いまの正式な名前は、電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律です。機構、つまりJ-LISが、電子証明書の認証業務を行うと定めています。
マイナンバーカードに入っている署名用電子証明書は、住民が、住んでいる市区町村の長を経由して、機構に申請する形で発行されます。窓口のある市区町村とも、つながっている法律です。
2019年のデジタル手続法

次に、2019年です。この年の5月31日に、デジタル手続法と呼ばれる法律が公布されました。いくつもの法律を、まとめて改正する法律です。
このとき、オンライン化法の題名が、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律に改められました。略して、デジタル行政推進法です。施行は12月16日でした。
ですから、オンライン化法と、デジタル行政推進法は、別の法律ではありません。同じ法律の、古い名前と新しい名前です。
デジタル手続法は、改正した法律の呼び名で、デジタル行政推進法は、改正後の法律の呼び名、と覚えておくと、国の資料が読みやすくなります。
デジタル化の3つの原則

この改正で、デジタルファースト、ワンスオンリー、コネクテッド・ワンストップという、デジタル化の3つの原則が、法律の基本原則に入りました。
デジタルファーストは、手続を、最初から最後まで、デジタルで終えられるようにすること。ワンスオンリーは、一度出した情報を、二度出さなくてよいようにすることです。
コネクテッド・ワンストップは、民間のサービスも含めて、複数の手続を、まとめて一度でできるようにすることです。
自治体は努力義務

では、自治体は、どうなるのでしょうか。デジタル行政推進法は、国の行政機関に対しては、情報システムを整備することを、義務としています。
自治体など、国以外の行政機関には、第5条第4項で、必要な施策を講ずるよう努めなければならない、とあります。義務ではなく、努力義務です。
ただし、国は、2020年3月の通知で、自治体に、行政手続のオンライン化を積極的に実施するよう求めています。
条例や規則の手続は、自分の条例で

この法律の、オンラインでもできる、という規定の対象は、条文の定義では、法律と、法律にもとづく命令で決まっている手続です。条例や規則で決めた手続は、その外にあります。
そこで、第16条です。自治体が、条例や規則にもとづく手続について、オンラインでできるようにするための施策を講ずるよう努める、と定めています。
この施策の一つが、電子申請を認める条例です。いわゆる、オンライン化条例です。条例の名前は団体によって違い、国の法律の名前に合わせて、改めた団体もあります。
いくつかの県や市の条例には、電子申請の到達の扱い、署名や押印の代わり、添付書類の省略といった内容が並んでいます。次の回から、順に見ていきます。
現場でよくある誤解

現場でよくある誤解を、3つ挙げます。
一つ目は、国の法律ができたから、自治体の手続も、自動的にオンラインで受け付けられる、という誤解です。条例や規則で決めた手続は、自分の条例で決めます。
二つ目は、電子申請は、法律で義務になっている、という誤解です。国の機関には義務ですが、自治体は努力義務です。ただし、国は積極的な取り組みを求めています。
三つ目は、オンライン化法と、デジタル行政推進法は、別の法律だ、という誤解です。同じ法律の、改正前と改正後の名前です。
異動してきたら最初に確かめること

では、異動してきたら、まず何を確かめればいいでしょうか。
一つ目は、自分の団体に、電子申請を認める条例があるかです。例規集で、情報通信技術、や、電子情報処理組織、といった言葉で探すと、見つかることがあります。
二つ目は、その条例が、規則に、どこまで任せているかです。対象の手続や、本人確認の方法は、規則や要綱で決めている団体もあります。
三つ目は、条例や規則を担当する法規担当と、手続を持つ原課の窓口です。法律の解釈が分かれそうなときは、情シスだけで決めず、法規担当に確認します。
理解度テスト
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