情シスの教科書

電子申請と行政手続法編・第2回

行政手続法のきほん

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ひとことで言うと

申請が届いたら、役所は、遅滞なく、審査を始めなければなりません。受け付けない、という選択肢は、条文にはありません。

異動してきたら、最初に確かめること

チェックは、このスマートフォンのブラウザに保存されます。

解説(テキスト版)

はじめに

動画の画面:はじめに(行政手続法のきほん)
動画の画面:はじめに

情シスには、こんな相談が届きます。電子申請で、添付書類が足りない申請が届いた。受け付けずに、送り返してもいいのか、と聞かれます。

あるいは、受理というボタンを押すまでは、受付前の状態として扱いたい、という要望もあります。システムに、そういう状況の名前を作ってよいのでしょうか。

この2つは、行政手続法の基本が分かると、考え方が見えてきます。今日は、その基本をお話しします。

一言で言うと

動画の画面:一言で言うと(行政手続法のきほん)
動画の画面:一言で言うと

先に、一言でまとめておきます。申請が届いたら、役所は、遅滞なく、審査を始めなければなりません。受け付けない、という選択肢は、条文にはありません。

ただし、自治体の機関が、条例や規則にもとづいて行う処分は、行政手続法の適用除外です。そちらは、各団体の行政手続条例によります。

行政手続法とは

動画の画面:行政手続法とは(行政手続法のきほん)
動画の画面:行政手続法とは

行政手続法は、1993年にできた法律です。処分、行政指導、届出といった手続について、共通するルールを決めています。

目的は、第1条にあります。行政運営の公正の確保と、透明性の向上を図り、国民の権利利益を守ることです。

役所の判断が、どういう基準で、いつまでに出るのかを、申請する人が分かるようにする。そういう法律だと思ってください。

申請と届出の違い

動画の画面:申請と届出の違い(行政手続法のきほん)
動画の画面:申請と届出の違い

まず、申請と届出は、法律の上では、別のものです。申請は、許可や認可など、自分に利益を与える処分を求める行為で、役所が、諾否の答えを出すべきものです。

届出は、一定の事項を役所に知らせる行為で、法令で、知らせることが義務づけられているものです。答えを出してもらうものではありません。

届出は、形式が整っていれば、決められた機関の事務所に到達したときに、出す側の義務が果たされたことになります。第37条です。

審査基準と標準処理期間

動画の画面:審査基準と標準処理期間(行政手続法のきほん)
動画の画面:審査基準と標準処理期間

申請を受ける役所は、まず、審査基準を定めます。許可するかどうかを判断する基準で、できる限り具体的にして、公にしておきます。第5条です。

次に、標準処理期間です。申請が事務所に到達してから、処分をするまでに、通常かかる期間のことです。第6条で、定めるよう努めるもの、とされています。

標準処理期間を定めたときは、公にします。この日数は、申請して待つ人にとっての、目安になります。

到達したら、遅滞なく審査

動画の画面:到達したら、遅滞なく審査(行政手続法のきほん)
動画の画面:到達したら、遅滞なく審査

そして、いちばん大事なのが、第7条です。行政庁は、申請が事務所に到達したときは、遅滞なく、審査を開始しなければなりません。

審査をして、記載事項に不備があるなど、形式上の要件に合っていないときは、速やかに、相当の期間を定めて、補正を求めます。または、許認可等を拒否します。

条文にあるのは、この2つだけです。届いた申請を、受け付けないまま預かっておく、という道は書かれていません。

条文の読み方としては、届いた時点で審査を始める義務が生じ、受理しないという扱いは通らない、ということになります。

理由の提示と進行状況

動画の画面:理由の提示と進行状況(行政手続法のきほん)
動画の画面:理由の提示と進行状況

拒否するときは、第8条で、原則として、同時に、その理由を示さなければなりません。申請した人は、なぜだめだったのかを、知ることができます。

また、第9条では、申請した人から求められたら、審査の進み具合や、処分の時期の見通しを示すよう努める、とされています。

電子申請の画面に出る、処理中、や、審査中、といった状況の表示は、この考え方と、相性のよい機能です。

自治体の機関がする処分は適用除外

動画の画面:自治体の機関がする処分は適用除外(行政手続法のきほん)
動画の画面:自治体の機関がする処分は適用除外

ここまでが、国の行政手続法の話です。では、自治体の手続は、どうなるのでしょうか。第3条第3項に、適用除外の規定があります。

地方公共団体の機関がする処分のうち、根拠になる規定が、条例または規則に置かれているものには、申請に対する処分などの規定は、適用されません。届出も、根拠が条例や規則のものは同じです。

反対に、法律にもとづく処分は、自治体の機関がするものでも、行政手続法が適用されます。条例や規則にもとづくものは、各団体の行政手続条例で決まります。

行政手続条例

動画の画面:行政手続条例(行政手続法のきほん)
動画の画面:行政手続条例

第46条は、適用しないとした手続についても、法律の趣旨にのっとって、必要な措置を講ずるよう努めなければならない、と自治体に求めています。

その受け皿が、行政手続条例です。ある市の条例を見ると、審査基準、標準処理期間、到達したら審査を開始すること、補正か拒否か、という並びが、国の法律と同じ形で置かれています。

2017年の総務省の調査では、都道府県、指定都市、中核市、施行時特例市は、すべて、行政手続条例を改正済みでした。自分の団体の条例を、一度読んでおきましょう。

情シスの仕事とのつながり

動画の画面:情シスの仕事とのつながり(行政手続法のきほん)
動画の画面:情シスの仕事とのつながり

では、この話は、情シスの仕事の、どこに出てくるのでしょうか。電子申請のシステムの、状況の名前と、画面の動きに出てきます。

たとえば、受理、という状況を作る設計です。受理という言葉が、届いたあとの審査を止める意味で使われていないかを、確かめます。

補正を求める機能も同じです。補正の連絡を出せるか、期間を設定できるかは、第7条の流れに関わります。

標準処理期間の日数を、いつから数えるか、画面や帳票にどう出すかも、決めておく必要があります。これは、次回の、到達の話につながります。

現場でよくある誤解

動画の画面:現場でよくある誤解(行政手続法のきほん)
動画の画面:現場でよくある誤解

現場でよくある誤解を、3つ挙げます。

一つ目は、受理してから、審査が始まる、という誤解です。条文は、到達したときから、遅滞なく審査を開始する、と書いています。

二つ目は、行政手続法は、自治体のすべての手続に適用される、という誤解です。条例や規則にもとづくものは、適用除外で、行政手続条例によります。

三つ目は、標準処理期間は、すべての手続に定めなければならない、という誤解です。条文は、定めるよう努める、と書いています。手続によって、定めの有無は違います。

異動してきたら最初に確かめること

動画の画面:異動してきたら最初に確かめること(行政手続法のきほん)
動画の画面:異動してきたら最初に確かめること

では、異動してきたら、まず何を確かめればいいでしょうか。

一つ目は、自分の団体の行政手続条例です。例規集で探して、申請に対する審査、応答の条文と、適用除外の条文を、一度読んでおきます。

二つ目は、電子申請を受ける手続について、審査基準と標準処理期間が、どこで公表されているかです。ホームページなのか、窓口なのか、手続ごとに確かめます。

三つ目は、いまのシステムの、状況の名前です。受理、受付、確認中といった言葉が、条例の言葉と、どう対応しているのかを、原課と一緒に確かめます。

理解度テスト

3問です。答えを選んで、「答え合わせ」を押してください。

問1行政手続法で、申請が事務所に届いたときの扱いとして、正しいものはどれですか。
問2自治体の機関が、条例や規則にもとづいて行う処分について、正しい説明はどれですか。
問3標準処理期間について、正しい説明はどれですか。

結果は、このブラウザに保存されます。成績ページで「ふっかつのじゅもん」を作ると、別の端末でも続きから使えます。

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