情シスの教科書

電子申請と行政手続法編・第4回

本人確認と、署名・押印

この動画は、順次公開します

公開準備中

ひとことで言うと

紙の署名や押印の代わりに使われるのが、マイナンバーカードの、署名用電子証明書による、電子署名です。

異動してきたら、最初に確かめること

チェックは、このスマートフォンのブラウザに保存されます。

解説(テキスト版)

はじめに

動画の画面:はじめに(本人確認と、署名・押印)
動画の画面:はじめに

情シスには、こんな相談が届きます。電子申請の様式に、押印の欄が残っている。電子申請では、押印はどうすればいいのか、と原課に聞かれます。

あるいは、住民票の写しを、添付書類として求めている手続を、電子申請にしたい。写しは、PDFで添付してもらうのか、という相談もあります。

今日は、紙の署名や押印の代わりになるものと、添付書類を減らす考え方を、お話しします。

一言で言うと

動画の画面:一言で言うと(本人確認と、署名・押印)
動画の画面:一言で言うと

先に、一言でまとめておきます。紙の署名や押印の代わりに使われるのが、マイナンバーカードの、署名用電子証明書による、電子署名です。

そして、国は2020年以降、押印そのものを減らしてきました。添付書類も、役所の側で情報を確認できる場合は、出さなくてよい形が、法律に入っています。

署名や押印の役目

動画の画面:署名や押印の役目(本人確認と、署名・押印)
動画の画面:署名や押印の役目

紙の申請の、署名や押印は、何のためにあったのでしょうか。この書類を出したのは本人です、と示すことと、内容が後から変えられていないことを示すこと、と整理できます。

オンラインでは、この役目を、電子署名が果たします。公的個人認証法は、地方公共団体情報システム機構が、この電子署名を確かめるための、電子証明書を出すと定めています。

署名用と利用者証明用

動画の画面:署名用と利用者証明用(本人確認と、署名・押印)
動画の画面:署名用と利用者証明用

マイナンバーカードには、電子証明書が、2種類入っています。署名用電子証明書と、利用者証明用電子証明書です。法律でも、別の証明書として定められています。

署名用は、申請書などの電子文書に、電子署名をするためのものです。利用者証明用は、マイナポータルなどに、ログインした人が、本人であることを示すためのものです。

つまり、ログインできることと、申請書に署名したことは、別のことです。電子申請で、暗証番号を、続けて求められることがあるのも、そのためです。

電子署名を確かめるのは誰か

動画の画面:電子署名を確かめるのは誰か(本人確認と、署名・押印)
動画の画面:電子署名を確かめるのは誰か

電子署名を確かめる役所は、あらかじめ機構に届出をして、証明書が有効かどうかの情報を、機構から受け取ります。第17条と、第18条です。

マイナポータル編の第2回でお話ししたとおり、ぴったりサービスでは、この確認は、国や機構の側で行われます。自治体が、一件ずつ調べに行く必要はありません。

ほかの電子申請システムを使っている場合は、誰がどこで確認しているかが、システムによって違います。契約書や仕様書で、確かめておきます。

法律は署名や押印をどう扱うか

動画の画面:法律は署名や押印をどう扱うか(本人確認と、署名・押印)
動画の画面:法律は署名や押印をどう扱うか

では、法律のほうは、署名や押印を、どう扱っているのでしょうか。デジタル行政推進法の第3条は、署名等を、署名、記名、自署、連署、押印、その他氏名または名称を書面等に記載すること、と定義しています。

そして第6条第4項は、法令に署名等が決められている申請等を、オンラインで行う場合は、個人番号カードの利用その他の、氏名または名称を明らかにする措置で、代えることができる、と定めています。

押印も、ここでいう署名等に含まれます。手続ごとの細かい措置は、主務省令で定める、とされています。

押印の見直し:2020年から

動画の画面:押印の見直し:2020年から(本人確認と、署名・押印)
動画の画面:押印の見直し:2020年から

押印の見直しは、2020年から、大きく動きました。6月には、内閣府、法務省、経済産業省が、押印についてのQ&Aを公表しています。

7月には、総務省が、地方公共団体における書面規制、押印、対面規制の見直しについて、自治体に通知を出しました。

11月には、河野大臣の記者会見で、国の行政手続のうち、押印を求めていた14,992種類について、14,909種類を廃止する、または廃止の方向で準備する、と発表されました。存続は83手続です。

12月には、内閣府が、地方公共団体における押印見直しマニュアルを公表しました。自治体向けに、見直しの進め方や、判断の基準を示したものです。

そして2021年5月に、デジタル改革関連法が公布され、押印を求める手続などを定めた、48の法律が改正されました。

自治体の様式と条例

動画の画面:自治体の様式と条例(本人確認と、署名・押印)
動画の画面:自治体の様式と条例

自治体の様式にある押印欄は、規則や要綱で決まっているものもあれば、慣行で残っているものもあります。国の見直しとは別に、自分たちで見直すことになります。

総務省の手順書では、電子申請を進めるときは、条例や規則にもとづく手続も対象にして、本人確認、手数料の納付、添付書類の省略を、同時に進める、とされています。

いくつかの県や市の条例には、電子申請での署名や押印の代わりを、規則で定めるものでよい、と書いてあります。条例の、第3条第4項などです。

その規則に、マイナンバーカードの電子署名だけが書いてあるのか、ほかの方法も認めているのかは、団体によって違います。

添付書類の省略

動画の画面:添付書類の省略(本人確認と、署名・押印)
動画の画面:添付書類の省略

次に、添付書類です。デジタル行政推進法の第11条は、住民票の写し、戸籍の謄本や抄本、登記事項証明書などで、政令で定めるものについて、書面を添付しなくてよい場合を定めています。

その条件は、行政機関等が、申請をする人のマイナンバーカードの利用などで、必要な情報を、直接、または電子情報処理組織を使って、入手したり参照したりできることです。

背景にあるのが、第2条の、ワンスオンリーの原則です。一度役所に出した情報は、二度出さなくてよいようにする、という考え方です。

自治体の条例にも、同じ趣旨の規定があります。住民票の写しなどの添付書類は、市の機関などが、直接情報を入手できる場合は、いらなくなる、という内容です。

情報連携とシステムの話

動画の画面:情報連携とシステムの話(本人確認と、署名・押印)
動画の画面:情報連携とシステムの話

役所の側で情報を確認するには、システム同士が、つながっている必要があります。ネットワーク編の第6回でお話しした、住基ネットや、中間サーバーが、その一部です。

ですから、電子申請の添付書類を減らす話は、申請の画面だけの話ではありません。裏側のシステム連携と、庁内ネットワークの話にもなります。情シスが関わるのは、ここです。

ただし、どの書類が、省略できる対象なのかは、手続ごとに、法令や条例で決まっています。原課が、手続の根拠を確かめるのが先です。

現場でよくある誤解

動画の画面:現場でよくある誤解(本人確認と、署名・押印)
動画の画面:現場でよくある誤解

現場でよくある誤解を、3つ挙げます。

一つ目は、電子署名があれば、押印は、すべていらなくなった、という誤解です。国の発表でも、83の手続は、押印が存続しました。自治体にも、残る手続がありえます。

二つ目は、マイナンバーカードでログインしたら、署名もしたことになる、という誤解です。ログインに使う証明書と、署名に使う証明書は、別のものです。

三つ目は、電子申請でも、添付書類は、全部PDFで出してもらうしかない、という誤解です。役所の側で確認できる書類は、添付を求めない形も、法律が想定しています。

異動してきたら最初に確かめること

動画の画面:異動してきたら最初に確かめること(本人確認と、署名・押印)
動画の画面:異動してきたら最初に確かめること

では、異動してきたら、まず何を確かめればいいでしょうか。

一つ目は、団体の条例と規則で、署名や押印の代わりに、何が認められているかです。マイナンバーカードの電子署名だけなのか、ほかの方法もあるのかを、確認します。

二つ目は、電子申請の手続ごとに、押印欄と添付書類が、どうなっているかです。紙の様式を、そのまま画面にしていないか、原課と一緒に確かめます。

三つ目は、本人確認の方法と、電子署名を確かめる役目を、誰が持っているかです。ぴったりサービスなのか、ほかのシステムなのかで違うので、契約書と構成図を確かめます。

理解度テスト

3問です。答えを選んで、「答え合わせ」を押してください。

問1マイナンバーカードの2種類の電子証明書について、正しい説明はどれですか。
問2「電子署名があれば、押印はすべていらなくなった」という考えについて、正しい説明はどれですか。
問3添付書類について、デジタル行政推進法の考え方として、正しいものはどれですか。

結果は、このブラウザに保存されます。成績ページで「ふっかつのじゅもん」を作ると、別の端末でも続きから使えます。

電子申請と行政手続法編のほかの回