マイナンバー制度編・第2回
分散管理という考え方
この動画は、順次公開します
ひとことで言うと
マイナンバー制度は、情報を一か所に集める一元管理ではなく、各機関が自分の情報を持ち続ける、分散管理です。
異動してきたら、最初に確かめること
チェックは、このスマートフォンのブラウザに保存されます。
解説(テキスト版)
はじめに

情シスには、こんな相談が届きます。住民から、マイナンバーを使うと、国に全部の情報を握られるのではないか、と窓口で言われた。職員が、どう答えればよいか分からない。
あるいは、原課から、マイナンバーを使って、ほかの役所と情報をやり取りしたい、と言われる。番号を、そのまま相手に送るのか、と聞かれる。
今日は、情報を一か所に集めない、分散管理という考え方と、符号を使った情報連携をお話しします。
一言で言うと

先に、一言でまとめておきます。マイナンバー制度は、情報を一か所に集める一元管理ではなく、各機関が自分の情報を持ち続ける、分散管理です。
機関どうしが情報をやり取りするときも、マイナンバーそのものは使いません。機関ごとに違う、符号を使います。
一元管理ではない

デジタル庁は、マイナンバー制度は、国があらゆる情報を特定の一か所に集めて管理する、一元管理の仕組みではない、と説明しています。
税の情報は税の部署、年金の情報は年金の機関と、情報は、もともとの機関が、これまでどおり持っています。
共通のデータベースを作らないので、一か所から漏れても、芋づる式に情報が漏れることはない、と説明されています。
また、行政の職員であっても、手続を受け付ける職員が、その手続に必要な情報に限って、アクセスできるとされています。
情報連携の流れ

では、手続でほかの機関の情報が必要になったときは、どうするのでしょうか。役所どうしが、情報提供ネットワークシステムを使って、必要な情報だけを、照会して、提供してもらいます。
このシステムは、番号法の第21条で、内閣総理大臣が、個人情報保護委員会と協議して、設置し、管理すると決められています。
やり取りした記録は、照会した側も、提供した側も残します。第23条です。住民は、マイナポータルで、その履歴を確認できます。
この仕組みによって、住民が、住民票の写しや課税証明書などを、窓口に持ってくる場面が減りました。
どの機関が、どの事務で、どの情報をやり取りできるかは、法律で決まっています。システムを作る側が、自由に決められるものではありません。
符号とは

情報をやり取りするとき、マイナンバーそのものは使いません。代わりに使うのが、符号です。
番号法の第2条第9項では、マイナンバーに対応して、番号の代わりに用いられる番号や記号で、住民票コード以外のもの、とされています。
符号は、役所ごとに異なります。デジタル庁も、役所ごとに異なるコードでやり取りして、符号は、システムの中でだけ突き合わせができる、と説明しています。
そのため、ある機関から符号が漏れても、ほかの機関の情報とは、つなげられません。
自治体の中間サーバー

この情報連携で、自治体の側にあるのが、中間サーバーです。ネットワーク編の第6回でお話ししたとおり、自治体の既存システムと、情報提供ネットワークシステムの間に立ちます。
手続に必要な情報の副本を、中間サーバーに置いておき、照会が来たら、そこから答えます。既存の業務システムへの影響を、小さくするためです。
自治体の中間サーバーは、J-LISが全国2か所に構築した、中間サーバー・プラットフォームを、共同で使う形が基本です。各団体はLGWANを通じて使います。
この線は、マイナンバー利用事務系から外へ出る線です。この層の端末は、ほかの層とは通信しない、専用の端末です。
守る仕組みと自治体の責任

番号を含む個人情報は、特定個人情報と呼ばれます。第19条で、決められた場合のほかは、誰も提供してはならない、とされています。第20条では、収集や保管も、同じように制限されています。
この運用を監視し、監督するのが、個人情報保護委員会です。独立性の高い第三者機関だと、デジタル庁は説明しています。
一方で、第12条は、番号を扱う事務の実施者に、漏えいなどを防ぐ措置を求めています。自治体の中のデータの管理は、自治体の責任です。
現場でよくある誤解

現場でよくある誤解を、三つ挙げます。
一つ目は、国が、全員の情報を、一か所で管理している、という誤解です。情報は、もとの機関が持つ、分散管理です。住民には、一か所に集めていません、必要なときだけ、符号でやり取りしています、と説明できます。
二つ目は、マイナンバーがあれば、役所どうしが、自由に情報を見られる、という誤解です。使える事務も、やり取りできる情報も、法律で決まっています。職員も、必要な情報に限って見られます。
三つ目は、分散管理だから、安全は国の仕組みが守ってくれる、という誤解です。国の仕組みとは別に、自治体の端末やデータは、自治体が守ります。番号入りの一覧表が、ファイルサーバーに残っていないかも、気をつけます。
異動してきたら最初に確かめること

では、異動してきたら、まず何を確かめればいいでしょうか。
一つ目は、番号を含むデータが、どこにあるかです。業務システムのほかに、帳票や、ファイルサーバーの共有フォルダなど、置き場所を洗い出します。
二つ目は、中間サーバーとの連携が、構成図のどこにあり、運用と保守の委託先がどこかです。情報連携が止まったときに、誰に連絡するのかを、先に決めておきます。
三つ目は、住民から聞かれたときの、窓口の答え方です。広報文や、窓口の説明文書が、一元管理という誤解を生む書き方になっていないかを、原課と一緒に確かめます。
理解度テスト
3問です。答えを選んで、「答え合わせ」を押してください。
結果は、このブラウザに保存されます。成績ページで「ふっかつのじゅもん」を作ると、別の端末でも続きから使えます。