オープンデータ編・第8回
公開の基盤の選び方と費用
ひとことで言うと
公開の基盤は、使う人が取りやすく、職員が続けやすく、費用が見合うものを選びます。
異動してきたら、最初に確かめること
チェックは、このスマートフォンのブラウザに保存されます。
解説(テキスト版)
はじめに

情シスには、こんな相談が届きます。オープンデータのサイトが古くなったので、作り直したい。何を使えばいいですか、と聞かれる。
あるいは、事業者の提案書に、CKANで構築します、と書いてある。それが何なのか、高いのか安いのか、分からない。
第7回は、オープンデータ編の最終回です。公開の基盤の選び方と、費用についてお話しします。
一言で言うと

先に、一言でまとめます。公開の基盤は、使う人が取りやすく、職員が続けやすく、費用が見合うものを選びます。
大きな仕組みが、いつも正解とは限りません。団体の規模と、続けられる体制に合わせて選びます。
公開の基盤の種類

オープンデータを公開する場所には、いくつかの種類があります。
一つ目は、団体のホームページに、ファイルを載せる形です。始めやすいですが、データが増えると、探しにくくなります。
二つ目は、データカタログと呼ばれる、データを公開するための専用のサイトです。データごとに説明を付けて、検索できるようにします。
三つ目は、データの登録と、公開を分けた、軽い構成です。このあと、順に見ていきます。
CKAN

データカタログの代表が、CKANです。世界の政府や自治体で使われている、オープンソースのソフトウェアです。
長所は、データごとの説明や、検索、プログラムからデータを取るための仕組みが、そろっていることです。ソフトウェア自体は無料で、日本でも、多くの自治体が使っています。
一方で、短所もあります。サーバーを動かし続ける必要があり、その保守の費用がかかります。バージョンアップのときに、独自に追加した機能が動かなくなって、大きな改修が要ることもあります。
データが数十件の団体には、仕組みが大きすぎる、と感じることもあるでしょう。
軽い構成

そこで、もう一つの考え方が、軽い構成です。
職員は、管理の画面で、データを登録したり、更新したりします。公開の側は、決まった時間に、データをファイルとして書き出して、置いておくだけにします。
使う人は、置かれたファイルを取りに来るだけなので、公開の側に、サーバーを動かし続ける必要がありません。アクセスが増えても、止まりにくい形です。
前回お話しした、APIでのアップロードの自動化や、更新の日付を出す仕組みも、組み込みやすくなります。
当社のオープンソース

ここで、一つお知らせです。この軽い構成の考え方で作った、オープンデータの公開の仕組みを、私たち、合同会社Ponsが、オープンソースとして公開しています。
管理の画面と、データごとのキーを使った自動のアップロード、公開用のファイルの定期的な書き出しを、そろえています。クラウドのサービスの上で動き、専用のサーバーは要りません。
ライセンスは、Apache 2.0です。どの事業者に使っていただいても、かまいません。基盤を選ぶときの、選択肢の一つとして、見てみてください。
費用の目安

費用の目安も、お話しします。
CKANを、事業者のクラウドのサービスとして使う場合、月に十数万円からの例があります。自分たちでサーバーを持つ場合は、サーバーの費用と、保守の費用がかかります。
軽い構成の場合、クラウドの使った分だけ払う料金が中心です。データが多くない団体なら、無料の枠に収まることもあります。超えても、月に数百円から数千円ほどが目安です。
ただし、どちらの場合も、設定や保守を事業者に頼む費用は、別にかかります。料金は変わることがあるので、最新の料金表で確かめてください。
選ぶときの観点

基盤を選ぶときの観点を、4つ挙げます。
一つ目。使う人が、登録なしで、すぐにダウンロードできるか。二つ目。職員が、手間なく更新できるか。自動のアップロードができるか。
三つ目。データを丸ごと取り出せるか。システム調達編でお話しした、次の更新に向けたデータの取り出しと、同じ考え方です。
四つ目。団体の規模に、費用が見合っているか。保守を含めた、何年分かの費用で比べます。
現場でよくある誤解

現場でよくある誤解を、3つ挙げます。
一つ目。オープンソースだから、費用はかからない、という誤解です。ソフトウェアは無料でも、動かす場所や、保守の費用はかかります。
二つ目。大きなデータカタログでなければ、オープンデータとは言えない、という誤解です。条件を満たしていれば、どこに置くかは問いません。
三つ目。基盤を新しくすれば、データも新しくなる、という誤解です。データを更新する運用がなければ、基盤を替えても、古いままです。
異動してきたら最初に確かめること

では、異動してきたら、まず何を確かめればいいでしょうか。
一つ目。今の公開の基盤と、その費用です。何を使っていて、毎年いくらかかっているのか。保守の契約も見てください。
二つ目。データを丸ごと取り出せるかです。基盤を替えるときに、困らないかを確かめます。
三つ目。データの件数と、更新の頻度です。団体の規模に、今の基盤が見合っているかを、考える材料になります。
オープンデータ編のふり返り

これで、オープンデータ編は最後です。ふり返ります。
第1回は、オープンデータとは何か。第2回は、活用の事例。第3回は、標準データセットと、データの形式。第4回は、機械判読可能な形式でした。
第5回は、出してよいかの判断と、ライセンス。第6回は、オープンデータにすべきデータ5選。第7回は、続けられる運用。そして今日が、公開の基盤の選び方と、費用でした。
最後に

オープンデータは、出して終わりではありません。使われて、更新され続けて、はじめて意味があります。
迷ったときは、このデータを使う人にとって、取りやすいか、新しいか、に戻ってください。
この動画が参考になったら、グッドボタンとチャンネル登録をお願いします。最後までご覧いただき、ありがとうございました。
理解度テスト
3問です。答えを選んで、「答え合わせ」を押してください。
結果は、このブラウザに保存されます。成績ページで「ふっかつのじゅもん」を作ると、別の端末でも続きから使えます。