情シスの教科書

システム調達編・第3回

予算と契約の年度の壁

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ひとことで言うと

自治体のお金は、1年ずつ決まります。ですから、何年も使うシステムは、その決まりに合わせた、契約の組み方をします。組み方には、いくつかの種類があります。

異動してきたら、最初に確かめること

チェックは、このスマートフォンのブラウザに保存されます。

解説(テキスト版)

はじめに

動画の画面:はじめに(予算と契約の年度の壁)
動画の画面:はじめに

情シスには、こんな相談が届きます。5年使うシステムなのに、どうして契約は1年ずつなんですか、と聞かれる。

あるいは、前任者の資料に、債務負担行為の設定あり、と書いてあるけれど、何のことか分からない。

どちらも、自治体のお金の決まりを知らないと、答えられません。第3回は、予算と契約の、年度の壁についてお話しします。

一言で言うと

動画の画面:一言で言うと(予算と契約の年度の壁)
動画の画面:一言で言うと

先に、一言でまとめます。自治体のお金は、1年ずつ決まります。

ですから、何年も使うシステムは、その決まりに合わせた、契約の組み方をします。組み方には、いくつかの種類があります。

流れのどこか

動画の画面:流れのどこか(予算と契約の年度の壁)
動画の画面:流れのどこか

調達の流れの中では、予算要求と、参考見積の段階の話です。

ここで契約の形を決めておかないと、仕様書も、入札の方法も決まりません。

単年度主義

動画の画面:単年度主義(予算と契約の年度の壁)
動画の画面:単年度主義

まず、前提になる決まりです。自治体の予算は、年度ごとに作ります。その年度の支出は、その年度の収入でまかなう、という決まりです。単年度主義、と呼ばれます。

予算は、毎年、議会で決めます。ですから、来年度以降のお金を、今年の予算だけで約束することは、原則としてできません。

でも、システムは何年も使います。そこで、年度をまたいで契約するための仕組みが、用意されています。

2つの見積

動画の画面:2つの見積(予算と契約の年度の壁)
動画の画面:2つの見積

その前に、見積の話をしておきます。調達の中では、見積を、2回取ることが多くあります。

1回目は、予算要求のための見積です。RFIなどで集めた、おおよその金額をもとに、予算を要求します。

2回目は、参考見積です。予算が決まったあと、仕様を固めてから取ります。入札で使う、予定価格を決めるための材料です。

1回目の金額が、そのまま予定価格になるわけではありません。仕様が変われば、金額も変わります。

債務負担行為

動画の画面:債務負担行為(予算と契約の年度の壁)
動画の画面:債務負担行為

では、年度をまたぐ契約の組み方を、見ていきます。1つ目は、債務負担行為です。

来年度以降に払うお金を、あらかじめ予算の中で決めておく仕組みです。何年度から何年度まで、いくらまで、と決めて、議会の議決を受けます。

これがあれば、5年分の契約を、最初の年に結ぶことができます。実際の支払いは、毎年度の予算から行います。

長期継続契約

動画の画面:長期継続契約(予算と契約の年度の壁)
動画の画面:長期継続契約

2つ目は、長期継続契約です。

電気や水道、電話などの契約は、法律で、年度をまたいで結べることになっています。そのほかに、条例で定めた契約も、対象にできます。

多くの団体では、パソコンや複合機などの、機器を借りる契約を、条例で対象にしています。

ただし、翌年度以降の予算が減らされたり、なくなったりしたときは、契約を解除できる、という条件を付けます。対象になる契約の範囲は、団体ごとの条例で確かめてください。

毎年度の随意契約

動画の画面:毎年度の随意契約(予算と契約の年度の壁)
動画の画面:毎年度の随意契約

3つ目は、プロポーザルでよく見る形です。5年間続けることを前提に、事業者を選んで、契約は、毎年度、随意契約で結び直します。

最初の年は、プロポーザルで選んだ事業者と、契約します。2年目からは、同じ事業者でなければ、続けて運用できない、という理由で、随意契約を結びます。

募集の要項に、予算が議決されることを前提に、翌年度以降も契約する予定です、と書いておくのが一般的です。

ただし、毎年度、随意契約の理由が成り立っているかは、問われます。監査で指摘を受けた例もあります。契約担当の課と、根拠を確かめてから使ってください。

どれを選ぶか

動画の画面:どれを選ぶか(予算と契約の年度の壁)
動画の画面:どれを選ぶか

どの組み方を選ぶかは、システムの中身や、団体の決まりで変わります。

大事なのは、予算要求の前に、財政課や、契約担当の課と、組み方を相談しておくことです。債務負担行為を使うなら、予算と一緒に、議会に出す必要があります。

あとから、やっぱり5年で契約したい、と思っても、間に合わないことがあります。

現場でよくある誤解

動画の画面:現場でよくある誤解(予算と契約の年度の壁)
動画の画面:現場でよくある誤解

現場でよくある誤解を、3つ挙げます。

一つ目。RFIでもらった金額が、そのまま予定価格になる、という誤解です。予定価格は、仕様を固めてから、参考見積をもとに決めます。

二つ目。5年分の契約は、どんなものでも結べる、という誤解です。債務負担行為や、長期継続契約などの、根拠が必要です。

三つ目。毎年度の随意契約なら、毎年、同じ理由で結び直せばいい、という誤解です。毎年度、その理由が成り立っているかが問われます。状況が変われば、見直します。

異動してきたら最初に確かめること

動画の画面:異動してきたら最初に確かめること(予算と契約の年度の壁)
動画の画面:異動してきたら最初に確かめること

では、異動してきたら、まず何を確かめればいいでしょうか。

一つ目。今のシステムの、契約の形と期間です。債務負担行為なのか、長期継続契約なのか、毎年度の随意契約なのか。契約書を見てください。

二つ目。自分の団体の、長期継続契約の条例です。どんな契約が、対象になっているのかを確かめます。

三つ目。次の更新に向けた、予算要求の時期です。契約が切れる年から逆算して、いつ要求するのかを、決めておきます。

理解度テスト

3問です。答えを選んで、「答え合わせ」を押してください。

問1「債務負担行為」の説明として、正しいものはどれですか。
問2予算要求のための見積と、参考見積の違いとして、正しいものはどれですか。
問3プロポーザルで選んだ事業者と、5年間続けることを前提に毎年度随意契約を結ぶ形について、注意すべきことはどれですか。

結果は、このブラウザに保存されます。成績ページで「ふっかつのじゅもん」を作ると、別の端末でも続きから使えます。

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