システム調達編・第5回
入札とプロポーザル、調達の公平性
ひとことで言うと
選び方の違いは、何で選ぶのか、の違いです。価格だけで選ぶのか、価格と中身で選ぶのか、提案の中身で選ぶのか。
異動してきたら、最初に確かめること
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解説(テキスト版)
はじめに

情シスには、こんな相談が届きます。いちばん安い会社に決まったけれど、導入が始まったら、思っていたものと違った、と言われる。
あるいは、プロポーザルの評価委員を頼まれたけれど、何を見て点を付ければいいのか、分からない。
どちらも、事業者の選び方を知っていると、備えられます。第5回は、入札と、プロポーザル、そして、調達の公平性についてお話しします。
一言で言うと

先に、一言でまとめます。選び方の違いは、何で選ぶのか、の違いです。価格だけで選ぶのか、価格と中身で選ぶのか、提案の中身で選ぶのか。
そして、どの方式でも共通する決まりがあります。すべての会社に、同じ情報を、同じタイミングで渡すことです。
流れのどこか

調達の流れの中では、参考見積のあとの、入札とプロポーザルの段階です。
ここまでに作ってきた仕様書と、予定価格を使って、実際に事業者を選びます。
一般競争入札

1つ目の方式は、一般競争入札です。地方自治法では、契約は、一般競争入札が原則とされています。
条件を満たす会社なら、どこでも参加できます。予定価格の範囲で、いちばん安い価格を出した会社に決まります。
仕様書で、中身がしっかり決まっていれば、価格だけで選んでも、問題はありません。逆に、仕様書があいまいだと、安くても、思っていたものと違う、ということが起こります。
総合評価

2つ目は、総合評価です。一般競争入札の一つの形で、価格と、技術や提案の中身を、両方点数にして選びます。
価格だけでは差がつきにくい、でも、仕様は決まっている、というときに使います。
価格の点と、中身の点の配分を、あらかじめ決めて公表しておきます。
公募型プロポーザル

3つ目は、公募型プロポーザルです。広く提案を募って、いちばん良い提案を出した会社を選び、その会社と随意契約を結びます。
仕様を細かく決めきれないときや、事業者の工夫を生かしたいときに使われます。システムの調達では、よく使われる方式です。
ただし、随意契約は、入札の例外です。なぜプロポーザルにするのか、理由を説明できるようにしておく必要があります。
提案依頼書と評価基準

プロポーザルでは、提案依頼書、RFPを出します。Request For Proposalの頭文字です。
何を提案してほしいのか、どんな書式で出すのか、そして、どんな基準で点を付けるのかを、書いておきます。
評価基準は、募集の前に決めて、公表します。業務の理解、提案の中身、体制、実績、費用など、何に何点を付けるのかを、決めておきます。
評価委員は、その基準に沿って点を付けます。基準にないことで、点を足したり引いたりはしません。
調達の公平性

ここからは、どの方式でも大事な、調達の公平性の話です。
基本は、すべての会社が、同じ情報を、同じタイミングで受け取れることです。同じスタートラインに立てることが、公平性です。
たとえば、公表前の仕様書を、1社にだけ送る。予定価格や、評価基準を、1社にだけ伝える。これは、明らかに公平性を損ないます。
ニュース解説の回で取り上げた、京都市の事例も、公募の直前に、上限額の入った仕様書を、1社に送ってしまったものでした。
気をつけたい場面

気をつけたい場面を、3つ挙げます。
一つ目は、特定の製品に寄った仕様です。その製品にしかない機能を必須にすると、ほかの会社は参加できません。
二つ目は、質問への回答です。ある会社から受けた質問の答えは、すべての会社に公開します。
三つ目は、募集の期間中の接触です。個別に会ったり、電話で説明したりはしません。問い合わせは、決めた窓口で、書面で受けます。
迷ったときは

迷ったときは、この情報を、ほかの会社にも、同じタイミングで渡せるか、と考えてください。渡せないなら、その1社にも渡しません。
そして、一人で判断しないことです。上司や、契約担当の課に相談します。相談したこと自体が、あとで説明するときの、助けになります。
現場でよくある誤解

現場でよくある誤解を、3つ挙げます。
一つ目。プロポーザルなら、好きな会社を選べる、という誤解です。公表した評価基準に沿って、点数で選びます。
二つ目。付き合いのある会社に、相談するのは問題ない、という誤解です。RFIなど、決まった手続きで、どの会社にも同じように聞きます。
三つ目。価格は、安いほど良い、という誤解です。安くても、仕様を満たさなければ意味がありません。仕様書と評価基準で、中身を確かめます。
異動してきたら最初に確かめること

では、異動してきたら、まず何を確かめればいいでしょうか。
一つ目。自分の団体の、方式の決まりです。どんなときに、プロポーザルを使えるのか。実施の要綱やガイドラインがあるかを、確かめます。
二つ目。過去の評価基準の例です。ほかの課のプロポーザルの、評価基準を読んで、点の付け方をつかみます。
三つ目。事業者とのやりとりの、記録の残し方です。いつ、誰と、何を話したのかを、残す習慣をつけます。
理解度テスト
3問です。答えを選んで、「答え合わせ」を押してください。
結果は、このブラウザに保存されます。成績ページで「ふっかつのじゅもん」を作ると、別の端末でも続きから使えます。